繰り返す日常を楽しむ:「旅好き、もの好き、暮らし好き」(津田晴美)を読んで考えたこと
こんにちは。しんいちです。
今日は知人から譲り受けた1冊のエッセイを読んでいます。
旅好き、もの好き、暮らし好き―savor of living (ちくま文庫)
- 作者: 津田晴美
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
この本を読んでいて気づいたのですが、私はエッセイが好きです。
物語のように創作でなく、実体験に基づいていること。そして、それが物語のように突飛であり、魅力的なことが多いからだと思います。
本書の20、21ページに素敵な言葉があります。
「部屋が狭いとか、都会に季節感がないとか、田舎は便利じゃないだとか、ないものばかりを嘆く人は、どんな状況にあっても、ないものばかり探し出して嘆いている。生活すること自体はどこに暮らしていても日常的なことの繰り返しだけど、想像力によって暮らしはもっと新鮮なものになる。」
「季節ごとの移り変わりを少しづつ楽しみながら家を飾ってゆくことがあなた自身の家をつくるということなのだ」
ないものよりあるものに目を向ける
人間はないものばかりを数えがちです。
お金がない、最新のiPhoneがない、車がない、ないないないない、、
ものだけではありません。
身長が高くない、頭が小さくない、ない、、
自分の身体についても、色んな面でです。
自分もずっとそんな1人でした。
ないものを意識しているとそれに際限はありません。
今の社会では常にないものを意識させられます。
インスタグラムを見ればおしゃれな服装、おしゃれなカフェ。
みんながそういうおしゃれなことをしているけど、私は、、、
そうやってSNS時代には「ないもの」を意識させられます。
私が「あるもの」を意識するようになったのは最近です。
不思議なもので自分の周りに「あるもの」を意識すると、自分に足りないものなんてそうそうないということに気づきます。
食事がある、あたたかい家族がいる、素敵な人がいる、寝る場所がある、ある、ある。
ある、ということを意識すると急に満足感が訪れます。
それだけで明るくなり、現状に感謝できるようになります。
どうせ短い人生なのだから、「ない」ものを嘆くより、「ある」ものを楽しんで行きたいです。
想像力で暮らしを豊かにする:創造の源泉
部屋に花を飾る、絵を飾る、机の上の小さな小物を移動する。
そうやって部屋のインテリアを変えることは大きな喜びです。
先週引っ越しをしたばかりで、部屋の内装がどんどん好みに近づいていくのが楽しくて仕方ありません。(照明を蛍光灯からオレンジ色の電球に変えるととても穏やかになれます)。
自分のインテリアに関する想像力はどこから来るのでしょうか。
私の場合、今まで行った国や、カフェの内装、映画のワンシーンなどが自分にインスピレーションを与えてくれています。
季節の移ろいを楽しむこと
そして何より、「季節の移ろいを楽しむこと」ことにおいては家族の影響が大きい。
両親が植物に携わる仕事をしているため、都会にいてもいつも季節の植物に囲まれてきました。
そして植物は季節と密接に関わっています。
本来は人間の身体もそうあるはずなのです。三木成夫さんは「宇宙のリズム」と「内臓のリズム」はつながっているとおっしゃっています。
本当なら体が季節の移ろいを感じているはずなのです。
体の中で。
都会の中でも季節を感じ、繰り返す日常を楽しめる感受性を養っていきたいこのごろです。